2019年9月6日金曜日

まず仲間になろう - 大人の発達障害

発達障害って聞いたことありますか



今、大人の発達障害が話題となっています。ニュースでは下のような記事がありますので、クリックしてお読み下さい。


「大人の自閉症」3つの特徴、冗談が通じない・同時進行が苦手… - 週刊ダイヤモンド


「そもそも発達障害とは何か?」は医師などの専門家にお任せします。ここで考えたいのは、発達障害のある方が、介護職員=介護の仕事をすることについてです。って言うか、社会に出て就労することについてです。


一般的にはこう言われています

アスペルガー症候群の場合ですが、一般的には、下のようなことなどが苦手と言われています。

  • 場や他人の空気を読む
  • 他人のあいまいな言葉を理解する
  • 複数のことを同時に並行してこなす
  • 急な変化にうまく対応する
  • 物事の全体を把握する
  • 感情を表現する
  • 他人の喜怒哀楽などを理解する
  • 他人の言葉や仕草、表情に隠された意味を察する
・・・

もちろん、ここにあげたことが全てではありません。

けれども、こういうことから、とっさの対応が大切な仕事・様々な作業を担当する仕事・チームワークを必要とする仕事・コミュニケーションが大事な仕事など、他人の心を理解し、器用に効率よく場の空気を読んで、想像力を働かせ、臨機応変な対応をする仕事が苦手とも言われています。

もしかしたら介護の仕事も、発達障害のある方にとっては、苦手なことになるのかもしれません。

だけど特殊なことでもない

発達障害のある方は上に書いたような傾向があると言われますが、これは誰にでもあることではないでしょうか。

介護の仕事は、その時、その場所で、利用者される方々の変化を察知、時によっては全く予測できずに起きた何かに、うまく対応しなければなりません。

利用される方々は目の前に一人ではないですし(ホームヘルパーさんの場合一対一ですが)、仕事をするのも自分一人ではなく、複数の職員とうまく連携をとりながら行います。

場の空気・言葉だけではない他人の表情や仕草から状況を読み取って判断し、複雑にからみ合う複数の仕事を複数の職員と同時進行的に行う介護の仕事は、発達障害のあるなしに、とても難しい仕事です。

たとえば体調がちょっとすぐれない時に、ささいなミスをすることはごく誰にでもあるのではないでしょうか。そういうことです。

程度や中身のちがいは当然あるし、発達障害の傾向は誰でも持っているものです。

どうしたらいい

発達障害がある、もしくはその傾向がある場合にどうしたらいいのでしょうか。

お医者さんはまず受診をすすめるでしょう。受診の結果にしたがって、きちんと判断・必要ならば治療して、同時に普段の暮らしに関わる支援につなげてゆくことをするでしょう。

それから、国には発達障害支援法という法律があり、これに基づいていろんな支援が行われています。新潟には新潟県発達障がい者支援センター「RISE(ライズ)」があり、医療や就労などに関するいろいろな相談を受け付けてくれることでしょう。

また、新潟県のホームページには発達障害者支援についてというページがあり、いろいろな情報が公開されています。人を雇う事業主向けの情報もあります。

これらの、医療機関や公的機関、そして企業などが連携してはたらくことによって、発達障害のある人の就労を支援する体制が組まれてゆきます。


見えない部分もある
お医者さんは「勤め先に発達障害のことをきちんと伝えたほうがいい」と言うでしょう。また、支援センターの協力を得て支援体制を作り上げるにも、発達障害があると明らかになっていなければなりません。これらのことに抵抗がある人は多いと思います。自分は周りの人と同じく普通にしているはずなのに、周りからは「ちょっとおかしい」と言われる。そう言われ続け、生きづらさを感じている中、普通にできると信じてがんばり続けている。そういう精神状況の中では、自分で自分に障害があるとは思いもしないでしょう。

学校教育の場では障害のある無しに関わらず、児童・生徒、「本人の利益が最優先」されます。周りは「ちょっと変わった子」くらいの認識で、それでも周りの子たちと一緒の場所で、同じことをして、同じ時間を過ごし、本人の意思は尊重されます。ところが社会に出て就職するとそれが一変します。それまで「本人の利益が最優先」だったのが、「会社などの利益が最優先」になるのです。本人の意思がどうであろうと、会社などの利益が優先し、その利益が優先されることが本人の利益につながる。こういうふうにです。発達障害のある子、またはその傾向のある子にとって、この価値観の変化はとてもショックが大きいです。そしてこのショックの大きさを、自分に発達障害があるからととらえることなんてできないでしょう。

仲間になる

解決へ向けてはじめるには、私たちが仲間になることです。

仕事の手順を覚えてもらったり、規則を覚えそれに沿ってもらったり、そういうことではなくて、とにかくまず仲間になることです。仲間とは気持ちと気持ちを合わせる関係、そういうことからはじめてみませんか。

他の職員と気持ちと気持ちを合わせることに慣れることで、環境にも慣れ、仕事への取組みはスムーズになります。この慣れが大切です。その結果手順やルールを覚えて動くこともスムーズになるというわけです。そして仕事に対する意欲も上向きになるでしょう。

また、仕事上で困ったことを一人で抱えこんでしまうこともなく、その解決策を探しやすくなります。他の職員に慣れてくれば、話も出しやすくなります。職員が困ってしまうということは、利用される方が困ることにつながります。もしかしたら重大な事故にまでなってしまうかもしれません。それを防ぐためです。

ひいてはみんなのためになるということなんです。

一職員どうしでもいいのですが、仲間づくりは労働組合が最もよいです。一職員どうしでは、もしもイジメやパワハラ、サービス残業など、労働上のトラブルに遭ってしまった時、対処に苦労します。一職員が一上司に訴えても、うまくはぐらかされたり、相手にされなかったりするかもしれません。

労働組合員になると、団結権・団体交渉権・団体行動権という三つの権利を持つことができます。組合員は、この権利をもって会社などに直接訴え、交渉したり、場合によってはストライキをすることができます。一職員がその職場の上司に訴えても上手く話しが通じなければ、仲間と一緒にこの権利を活用するのが有効です。

どんな組合がいいか


  1. 職場に労働組合がある
  2. 障害を持ちつつ働いている人に特化した労働組合
  3. 地域で活動している労働組合

1.の職場に労働組合があるという人は、既にその組合に入っているという人がほとんどでしょう。であるならば、職場で困っていることを、その組合に何でも相談しましょう。組合の相談窓口は電話かもしれないですし、その職場に組合の窓口的な人がいるのかもしれません。そこへ積極的に相談をしてください。

2.のような労働組合は、日本にもいくつかあるようです。障害を持っている人に特化していることで、働くことについてはもちろん、障害に関する制度についても詳しく、よく相談にのってくれるでしょう。これも選択肢のひとつになります。

3.の地域で活動している労働組合は、新潟介護クラフトユニオンのような組合です。合同労働組合とも言われます。全くちがう職場の人どうしが同じ組合員だったりします。また、職場内にある組合ではないので、いざ相談したら上司や会社などに全て筒抜け、結果あなたの訴えを潰されるなんてことはありません。今ではネットを使うのは当たり前なので、メールやSNSで相談という方法も活用できます。ぜひお話をしてみてください。

職場に労働組合がない、また、近くに障害を持つ人たちに特化した労働組合がない場合は、3.の地域で活動している労働組合をおすすめします。職場にある労働組合に相談したけれど納得できない、相談はしたけれど遠くの労働組合なのでなかなか具体的に動けないなどで困った場合ももちろんです。

笑顔で働くため

労働組合のはたらきは大切です。働く人の相談にのることはもちろん、その問題を解決するために、あなたと一緒に考え、行動する組合をぜひ見つけ、加入することをおすすめします。

介護保険制度がはじまって約20年たちましたが、働く人にとって介護の職場はまだまだ未成熟です。パワハラやイジメ、知ってか知らずか、滅茶苦茶な人の使い方をする事業所もあります。

介護の職場も、障害のあるなしなどにかかわらず、誰もが笑顔で働ける職場であるべきです。そのためにも今から一緒に考えはじめてみませんか。


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